だんじり祭りで「上に乗る人の舞がかっこいい!」「落ちそうで怖い!」という声をよく耳にします。
大工方と呼ばれるだんじりの上に乗る人のパフォーマンスに、目を引かれますよね。
怖いのに多くの子どもたちが憧れる大工方。
だんじり祭りの本場・岸和田のだんじり会館には、だんじりの屋根を再現し、大工方になった気分を味わえる体験コーナーがあるほどの人気!
私自身、大阪南部で生まれ育ち、だんじり祭りが近づくと「今年は誰が乗る?」と上に乗る人が話題になっていました。
大工方の魅力と役割、どのように選ぶのかも解説します。
子どもからお年寄りまで!地域みんなで楽しむだんじり祭り
私の住む大阪南部には、年に一度だんじり祭りがあります。
有名な岸和田だんじり祭りは9月ですが、地域によって日程はさまざまです。
私の地域では10月初旬にあり、子どもからお年寄りまですべての世代が楽しみます。
学習塾が休みになるくらい、だんじり祭りは大切な行事。
小学生の頃には私も、法被を着て「そーりゃ、そーりゃ」と声をだしながら、息を合わせてだんじりをひきました。
だんじり祭りの華!上に乗る人・大工方による華麗な舞は必見
だんじり祭りの役職の中でいちばん華やかな大工方。
上に乗る人のことを言い大工方(だいくがた)といいます。
かつては修理のできる大工職人がつくきまりがあり、呼び名の由来となっています。
大工方は、不安定な足場をものともせず、軽妙に跳び上がって体の向きを変えたり、両手を大きく広げて片足で立ったり、2つのうちわを手に華麗に舞います。
走るだんじりの上で、祭りを盛り上げるパフォーマンスで魅せる姿は必見です。
舞うだけじゃない!大工方の重要な役割
大工方は、曲がる方向の指示役として、安全な巡行のための重要な役割も兼ねています。
絶妙なタイミングで、屋根の上から大声で指示を叫び、うちわで後ろのひき手に合図を送ります。
まるでだんじりを操っているようで、かっこいいんですよね。
だんじり祭りは迫力があり無茶をしているようにも見えがちですが、万一の危険を考えることができなければ、上に乗る人は務まりません。
大工方は、時間をかけてしっかりとまじめに鍛錬を積み、安全で楽しい祭りにすることを、誰よりも考えています。
怖いけれど憧れる!大工方に必須の運動神経のよさ
大工方に憧れて、うちわを持って踊る子どもがたくさん。
私も真似をして台車に乗って、兄に押してもらったら、ただならぬ怖い思いをしました。
だんじりの屋根の高さは、地上3.8メートル、ビルの2階くらいです。
車輪部分の材料はゴムではなく木。
滑りやすく、ちょっとしたタイミングやバランス、道路にある石でも横転する危険があり、怖いです。
スピードのでているだんじりの、ななめになっている屋根で踏ん張り、舞うのですから、上に乗る人に運動神経のよさは必須です。
誰が乗る?憧れのポジションだからこそ人一倍の努力で認められる人間に
では、上に乗る人を誰がどのように決めているのでしょう?
過去に大工方を務めていた年配者や青年団の先輩の間で、誰が乗る?と相談して、選出することが多いです。
運動神経のよさの他にも、体力、真面目さ、リーダーシップ、度胸、責任感など、重要視される素質はたくさんあります。
みんなが憧れるからこそ自分から人一倍の努力で必死に鍛錬を積み、認められる人間にならなければなりません。
誰でもなれるものではないため、大工方に選ばれた人は誇りを持っています。
だんじり祭りのある地域では、「今年は誰が乗る?」と話題にもなります。
だんじり祭りの上に乗る人はどんな人が選ばれる?【まとめ】
だんじり祭りの華・大工方について知っていただくことで、さらに楽しんでいただけるのではないでしょうか。
怖いし、危険もわかっている上で、だんじり祭りを盛り上げる華麗な舞は、鍛錬の積み重ねによるものです。
「誰が乗る?」という話し合いの場で自分の名前を出してもらい、周りからも認められるよう人一倍の努力をして、身体も心も準備しています。
だからこそ、大工方のパフォーマンスは目を引き、多くの子どもたちからも憧れられるのでしょう。