ねぶた祭りは、青森県の夏の風物詩です。
巨大なねぶたを曳き回す迫力ある姿は、毎年多くの観光客を魅了しています。
しかし、ねぶた祭りの最終日には、ねぶたを海に流すという儀式が行われます。
なぜ、せっかく作ったねぶたを海に流してしまうのでしょうか?
ねぶた流しの理由と魅力、そして灯籠の意味について、この記事で解説します。
ねぶた流しとは?
ねぶた流しとは、ねぶた祭りの最終日に行われる儀式です。
ねぶたは、祭りの期間中に市内の各所で展示されますが、最終日には、ねぶたを曳く人たちが、ねぶたを海に運びます。
海に着くと、ねぶたは船に積み込まれ、海上に浮かびます。
そして、ねぶたに火をつけて、海に流してしまいます。
ねぶた流しは、夜に行われるので、海に浮かぶねぶたの火が、幻想的な光景を作り出します。
ねぶたを海に流す理由とは?
ねぶたを海に流す理由には、いくつかの説があります。
一つは、ねぶたは神様の化身であり、祭りが終わったら、ねぶたを海に返すことで、神様に感謝するというものです。
もともと、ねぶたは、古代の豊作祈願や疫病除けの祭りに由来すると言われています。
ねぶたには、勇壮な武将や神仏などが描かれており、これらは神様の姿を表していると考えられています。
祭りの間は、ねぶたを曳いて町を練り歩くことで、神様の力を借りて、悪霊を払い、豊穣や平和を祈るのです。
しかし、祭りが終わったら、ねぶたはもう必要なくなります。そこで、ねぶたを海に流すことで、神様にお礼を言って、元の場所に帰してあげるのです。
海は、神様の住むところとされており、ねぶたを海に流すことは、神様を送り出すことになります。
もう一つの説は、ねぶたは、青森の歴史や文化を表しており、海に流すことで、それらを広めるというものです。
青森は、江戸時代には、北前船と呼ばれる商船の寄港地でした。
北前船は、日本海側の各地を結ぶ船で、青森では、米や塩などの物資と交換に、ねぶたやねぷたと呼ばれる人形や絵を積み込んでいました。
これらのねぶたやねぷたは、青森の伝統芸能や民俗芸術の一つでした。
北前船は、ねぶたやねぷたを各地に運び、青森の文化を広めました。
ねぶた流しは、この歴史を再現するという意味があると言われています。
ねぶたを海に流すことで、青森の文化を海の向こうに伝えるのです。
ねぶた流しの魅力とは?
ねぶた流しの魅力は、なんといっても、海に浮かぶねぶたの美しさです。
ねぶたは、紙や布で作られており、色鮮やかな絵柄が施されています。
ねぶたには、電飾やろうそくが取り付けられており、暗闇の中で、ねぶたが光り輝きます。
海に流されたねぶたは、波に揺られながら、ゆっくりと沈んでいきます。
その様子は、まるで、ねぶたが生きているかのように見えます。
ねぶた流しは、ねぶたの命の終わりを見届けるという感動的な儀式です。
ねぶた流しに参加する人たちは、ねぶたに別れを告げたり、感謝の気持ちを伝えたりします。
ねぶた流しは、ねぶたと人との絆を感じることができる、素晴らしい体験です。
ねぶた流しに灯籠が飾られる理由とは?
ねぶた流しには、灯籠が欠かせません。
灯籠とは、紙や竹で作られた、中にろうそくや電球を入れて光らせるものです。
ねぶた流しでは、ねぶたの周りに、たくさんの灯籠が飾られます。
灯籠には、ねぶたの名前や製作者の名前、スポンサーの名前などが書かれています。
灯籠は、ねぶたの存在を際立たせるだけでなく、ねぶたに対する敬意や愛情を表すものです。
また、灯籠には、霊魂を導くという意味もあります。
ねぶたを海に流すとき、灯籠は、ねぶたの霊魂を天に送る道しるべとなります。
灯籠は、ねぶたの旅立ちを祝福するとともに、ねぶたの安らかな眠りを願うものです。
ねぶたを海に流す理由【まとめ】
ねぶた流しは、ねぶた祭りの最終日に行われる、ねぶたを海に流す儀式です。
ねぶたを海に流す理由には、神様に感謝するというものや、青森の文化を広めるというものがあります。
ねぶた流しの魅力は海に浮かぶねぶたの美しさです。
ねぶたは、紙や布で作られており、色鮮やかな絵柄が施されています。
ねぶた流しは、ねぶたと人との絆を感じることができる、素晴らしい体験です。
ぜひ、現地に行って体験してみてください。